かなしみを笑顔に変える、華やかな王宮歌劇――ミュージカル「王室教師ハイネ」
先日東京から地元へ帰還しました。楽しかったな~~!手持ちのチケットが一気に減ってまた通常サイクルに戻るのはつらいですが、今回の遠征で(将来の安定したおた活のために)もっとがんばらなきゃって思えたのでがんばります。
さて、王室教師ハイネの話をします。
www.musical-heine.com
初日マチソワでした。六本木に行くといつも雨が降ってる気がします。あと地元でライビュにも!
手始めに本編外の感想。雨の中で物販列に並び、チケットを確認されたのにもぎられなかったのでおかしいなと思いながらやっと劇場内に入ったー!と思ったらまた外の入場列に並ばされて(なんで??!)ってなりました。物販入場同時にできなかったのかな……傘が小さくて雨に濡れてしまいかなしかったです。
あと客層の雰囲気にあまり慣れておらず戸惑いました。あからさまにおたくがいっぱいいる(つまり最多数)現場、初めてに等しかったかも。こわいよー!(こら)
初日のマチネにも関わらず、当日券列は70〜80人くらいでした。予想の10倍くらいいました。入れたのは1/3ぐらいかな。それでもかなり入った方だと思うんですが、おそらく転売疑惑席が多かったのでは。わたしは抽選順が遅くサイド見切れ席でした。
ソワレは最前ドセン(円盤先行の自名義です)でしたが、とにかく近い!座席とステージの距離が1メートルもなかったです。客降り用の(?)階段を一段超えなきゃ端まで歩けないの……最前列のメリットってただただ近いことしかないなと思いました。前に障害がなくとにかく近いというだけで大きなメリットだとも思いますが……。ブルーシアターに限った話です。
ところで廣瀬さんのあのお辞儀が好きなんですけど至近距離でそれが見れたのが本当によかった。一番印象に残ってます。笑
あとライビュですが当然のようにカメラワークが解釈違いです(こら)(固定カメラと解釈違いは当たり前)
ここから本編の感想!ネタバレあります。
まず物語の展開に困惑しました(予想していなかっただけ)。アニメではハイネの過去が終盤で語られましたが、ミュは過去の話を合間合間に挟んでいました。あとはまあアニメとほぼ同じです。原作のミュージカル化というよりもアニメのミュージカル化。
アニメ・ミュージカル「王室教師ハイネ」はざっくり言うと4人の王子がハイネ先生とのエピソードを通して先生と打ち解けて何かを知ったり学んだりする物語です。なので物語におもしろい伏線や起伏があるわけではなく、いくつかの独立したエピソードにより展開される…といった構成。
アニメとしてはたいへん楽しく見ることができたのですが舞台化となると脚本的なおもしろさは厳しかったのではないかなと思います。(内容知ってるし)視覚的または聴覚的に…五感で楽しむミュージカルだったかなあ…という印象。
脚本はめいこい歌劇と同じ方のようで……めいこい歌劇でチャーリーに関する重大なネタバレがなされてびっくりしたという話を聞いていましたが(わたしは配信で観ました)、こちらもローゼンベルク伯爵が「私もあなたのような教師に出会えていれば…」と言い出してとても驚きました。何その匂わせ…?!
■ローゼンベルク伯爵
さて、流れでローゼンベルク伯爵の話をします。
幕が開くとローゼンベルク伯爵が中央に立って光に当てられていました。少し驚きましたが、終わってみるとローゼンベルク伯爵がこのミュージカルを動かそうとしていたのかなあ、と。 最初から最後まで存在感がとても大きかったです。
ローゼンベルク伯爵「\カプツィーノ/」は申し訳ないけどちょっと笑ってしまった。発音がいい………あのカイとブルーノに関するゴシップ記事の話をするところです。\カプツィーノ/のような甘い話ではないですよ〜のところ。カプツィーノ!
ハイネ先生の過去を突き止めて、王宮から退くよう交渉するとき、そしていざその交渉を成立させるとき、なんだか苦しそうでかなしみを背負った人のように感じました。ずっとアインス様のお側に仕えてきて、アインス様に必ず国王になっていただきたいという強い気持ちがあるのだと思います。
ヴィクトール国王が「アインスは(国王に)ふさわしくない」と言っていますが、ローゼンベルク伯爵はそれを感じ取っているのかなあとも思います。「不安」であるが故に4兄弟を国王候補から脱落させようとする、それって苦しいことだよね。
そういえば演出の吉谷さんが「悪役」と称していて、そうなんだあって思いました。
伯爵が、悪役が君沢くんでよかった。圧倒的な存在感と歌唱力で、舞台が引き締まったのは言うまでもありません。物語の登場人物のブレークスルーには危機が必要です。その危機を彼が実に鮮やかに熱っぽく引っ張って来てくれました。千秋楽の帽子の中身あいさつもお見事です。ありがとうございました。 pic.twitter.com/CeXiVZqWaG
— 吉谷光太郎 (@koutaroyositani) 2017年9月19日
かなしみを背負うのは「悪役」のさだめなのかもしれません。
余談ですが、やはりミュのローゼンベルク伯爵とめいげきのチャーリーを重ねてしまいます。
■カイ
安里くんかっこいいよーーーーー!
さすが座るだけで「キャーー」って言われるひと!!*1
存在がそのままカイ兄だ、と思います。全身隅々までカイ…みたいな。ほんとうにほんとうにカイ兄を体現している。あの独特の、カイそのものの佇まいはどこからくるのかなあなんて考えています。すごいなあ。
3公演目終了いたしました!ご来場いただきましてありがとうございました!!カイ王子をお届けです!
— 王室教師ハイネ-THE MUSICAL- (@heine_musical) 2017年9月8日
19時公演も若干数ですが、当日券をご用意してお待ちしております。
18:00~18:15の間に駐車場にお集まりくださいhttps://t.co/FGUX8zdixt#王室教師ハイネ pic.twitter.com/BYCqGzhog8
そういえばライビュの寄りカメラでアイメイクがかなり暗めだなと感じました。眉と目の間全体に影が入ってる。
ハイネ先生が王室教師をやめる!どうしよう!という4人のシーンで、カイの座り方がまさに近づきがたい人のそれで、でも本当はぼんやりしているor何か耽ってるんだろうなって思って、それにかっこよくて、かっこよかったです。
日替わりの挨拶の練習で、大千秋楽はカメラ入ってるからカメラを父上の銅像(?!)に見立ててカメラに向かってやってくれたんですが光が全く当たってなくて真っ暗でした。くらいよーーーみえないよーーーーでもそういうとこさいこうだよーーー!!
それにしてもあまりのカイっぷりに安里くんってほんとうに存在が奇跡だなあって思いました、完。
■ブルーノ
もしかして黙ってればイケメン枠ですか???
ブルーノ兄様、ほんとうに声がいいなとしみじみ思うのでただただ歌っててくれ……なんて思ってました。ブルーノ兄様素敵です………(CVレオンハルト)
ブルーノが「才能のある兄」と言ったときに、カイ兄が後ろに出てきたことに、(ほ、ほう…?)となりました。
ブルーノにとってはアインス様はもちろんだけれど、カイのことも才能のある人だと思っているんですね。作中でアインス様は何でもできる天性の才の持ち主だと描かれていますが、カイについては父上が「能力に問題はないがコミュニケーション能力に劣る」と言った程度でそのあたりについてはあまり言及されていませんでした。わたしはカイの才能は、あの存在そのものだと思います!!!(雑)コミュニケーションには難ありですが"ピュアさ"が彼の才能なのかな。あんなに心の底から優しいことって一つの才能だと思う。
でもブルーノにとっての才能ってなんだろう。何でもこなせて発想力があること?それとも………
その人の魅力=才能になり得るとも思うので、ハイネ先生やドミトリー教授がブルーノに対してそんなことないよ的な声をかけるのはそのとおりだと思います。
あと師匠!!!ってなるのがかなり遅くて。他の三人のエピソードの後でした。
師匠!!!!!の感じが安達さんのあの雰囲気(伝わるはず)にぴったりだとずっと思っています。
■リヒト
気軽にリッヒーって呼んじゃう!!!
蒼井翔太さんのことはハイネで初めてちゃんと知りました。パフォーマンスがいつも安定してすごい、それに独特の魅力があるなあ…と。
ミッターマイヤーのエピソードは独特の迫力(なんでも"独特"で表現しようとする…!)で引き込まれました。
あとアドリブ対応?回収?がすごいなと思いました。カイの日替わり客席絡みで名前が出ればそのあとくしゃみをして「誰かが噂している」と言ったりカイに呼ばれたハイネ先生が異次元(※客席)に行って戻ってきたあとに「さっきいなかったよね」と言ったり……
アーティスト!って感じで個人的には好きです。とにかく声が魅力的だ。
■レオンハルト
レオンハルト最高だよ~~~~~!!
しょーんってなったりきょとーんってしてる顔が可愛かった。カイの袖をつまんでたり後ろに隠れたりカイにぴったりしてる瞬間も多々あってわたしが楽しかったです。
『王室教師ハイネ -THE MUSICALー』三日目昼公演、ご来城ありがとうございました!
— 安里 勇哉【TOKYO流星群】 (@asa10_y) 2017年9月9日
あと東京は三公演で終わるのが寂しい。だからこそ一生懸命に!!!
レオンハルトと…((*´∀`*))#王室教師ハイネ pic.twitter.com/f5lxTA3LkH
レオンハルトとカイが並ぶと全世界がお花畑ですね。
「~です」って語尾で喋ってる時の小ささがよかった。小さいのにパワーに溢れている。
それから声と佇まいがレオンハルト(15)だなあと思いました。
レオンハルトみたいな子って感受性が豊かで心が純粋で発する言葉にはハッと思わされます。ミュはまさにその通りで……いい意味でどきどきする。
どのくだりだったかは忘れましたが「かなしい」の言い方が好きでした。ハイネに限った話ではありませんが、言葉の紡ぎ方が丁寧できれいだなあと感じています。
僕は大介とはミュージカル『ヘタリア』でご一緒させてもらってて、とても力があって頭のいい人だなと。そういう彼がオバカキャラを演じることが面白いなって思ってました。
【インタビュー】「王室教師ハイネ-THE MUSICAL-」演出・吉谷光太郎さん | 2.5news
たしかに……って思ったのと、やっぱり吉谷さんすごいなーって思いました。この一文にビビッときただけで感想みたいなもの述べる語彙はまったく思い浮かびません。
ライビュでは出てくるたびにヒエッ…てなってて両隣だった方失礼致しました…。生だとそんなことないんだけどライビュとか観るといつもヒエッ…てなるのなんでだろう………
あとやっぱり踊ってる姿が最高に好きです。なんであんなにこう……くせになるんだろう。
そしてキャラソン!ですね!かわいい!かわいすぎやしませんか??!トルテよこすよ!!!!!
ところで(CV廣瀬大介)の「名前を呼ぶ声」が大好きなんですけど(A3!のバースデーボイスは最高)ハイネだと「ブルーノ兄様」が最高に好きです。
だいすけはほんとに頼りになるな。
— 吉谷光太郎 (@koutaroyositani) 2017年9月7日
1行の台詞で
一曲パフォーマンスするのと同じくらいの劇的効果があるんだから。
わ、分かる……
とにかくパフォーマンスが好き!と思うので今後いろいろと楽しみです。
■ハイネ先生
植田さんの圧倒的安定感が好きです。あといつもクライマックスに泣かされます。
そして涙がほんとうにきれい。
擬音の表現もよかった!かわいかったです!ちゃんと二頭身だなあって(?)
この作品はミュに限らず王子+ハイネ先生でなにかと展開されるので植田さん常に出ていてたいへんそう…って純粋に思ってしまいます。でも同時にそんなハイネ先生が常に素敵で「安心」のような気持ちを抱きます。
触れる作品に植田さんがいると嬉しくなります。しかもかなりの確率でいらっしゃいます!嬉しい!笑
■マクシミリアン
マクシミリアン役の星さんは初舞台だったそうで。初日に「初舞台だから緊張してる!」というメタ日替わりがありました。夜は「さっき初舞台を終えたから緊張してない!」でした。一緒にいたローゼンベルク伯爵が「壁に向かって何してるんだ…?」というお決まりのオチです。
マクシミリアンくんはまず顔がマクシミリアンくんでした。そのまんまやんけ………あと背が高い。
初舞台詐欺多くない…?というかこうあるべきなのかなとも思います。
それにしても顔がマクシミリアンです(2回目)雰囲気もまさにマクシミリアンだったなあ。なにかとずるくてこれから注目したい!と思いました。
■特別授業
終演時間は前後する可能性がありますので余裕を持ってお越しください、という公式の注意事項を読んで「???」となっていたのですが、たしかに終演時間は前後しました。カテコは一回のみですというポ○マジお馴染みのお知らせのあと、みんながハケていく!もうさいご!目に焼き付けなきゃ!というところで「……とか言いながら」ってハイネ先生が!教育的指導*2をしてくれて!!キャラソン!!!!!
ハイネって楽しい~~!最高~~~!が最後の特別授業に凝縮されていました。
■アンサンブル
吉谷さん演出の作品はアンサンブルが濃いめだと感じます。とくに今回はいつもに増して…!全員がメインキャストと言ってもいいぐらいです。
そのアンサンブルの衣装をいつもなにげに楽しみにしていますが、なんと英字新聞のような柄!シルエットもいいな!わーー!いい!テンション上がりました。笑
英字新聞はグランツライヒ王国の世論=国民を表しているのかな、なんて思いました。
女性陣の声がきれいだったから音的な意味ではうるさすぎずよかったと思います。
帯くんはヘタミュ、スタミュミュとみてきて、今回ラルフを演じられていたのがすごくよくて、なんだか感慨深かったです。笑
仲田さんはかなり目を引きました。繊細で華やかな踊りをする方だなあ…と。いると安心する方です。
■まとめ
イッツソーハッピーミュージカル!を想定していましたが、思っていたよりもシリアスの配分が大きかったなと感じています。
25news.jp
この記事で「エリザベート」「レ・ミゼラブル」が挙げられていますが、こういったミュージカルの華やかさとハイネの華やかさはどこか通ずるなあって思います。名前が挙がっている以上は少なからず意識されているでしょうし……
「王室教師ハイネ」のゴールの一つは時期国王が決まることだと思うのですが、原作はレオンハルト、アニメはアインス様、ミュはカイが最も国王に近いなあと感じます(※主観です)。
終わってみると今でも強く印象に残っているのはカイ王子です。まさにカイ!という雰囲気がどこから出ているのか甚だ疑問です……歩くだけで目を引くな~って思います。むしろそこに立っているだけでカイ………!!!ってなります。
あとミュのローゼンベルク伯爵はとてもしんどいお方でした。幸せになってくれるといいなあ。そういえばラルフくんもカイに「王宮の兵士を目指すといい」と言われますが、この作品は誰もが笑顔になれることを目指しているのかなと思います。悪いことをした人間も罪を償って一緒に笑顔になろうね…って。
原作の展開もなかなかしんどいなあって思っているんですが根本はハッピーロイヤルコメディ!みたいな感じだと思うので、これからも楽しんでいきたいです。
イベント等や円盤発売はまだあるとは言えアニメもミュージカルも終わってしまいました。2月からずっと楽しくてハイネがあってよかったなあって思うのですが、今後はとくに大きな何かが用意されていないので……どこかで区切りをつけるのでしょうか。原作がもうちょっと進んだら2期やってほしいなあとも思います。1期の終わり方が原作と違ってもなんとかなると思う……ので………でも今一番見たいのは9巻のエピソードです。9巻、盛りだくさんだし話もかなり動くししんどい!
レオンハルト「馬車の音が嫌いになるな」をCV廣瀬さんで聞きたすぎるのです。9巻を読んで3日はそのことばかりを考えていたぐらい、このセリフが聞きたい!
とにかく楽しいコンテンツだったのでミュが終わるのはちょっとさみしいです。
これからどうなるの…?!で終わるのもなんだか不思議だなあ。でも原作は続いていますし、この大きな作品展開もきっとまだまだ続くと信じて、これからも楽しんでいきたいです。