壺の中の泉

きらめきたい

人間味と狂気とハッピーエンディング/3年A組―今から皆さんは、人質です―2話感想

作品の色が確立され、なるほどこういう感じね、と理解した2話。
そういうのはたいてい1話で分かるのかもしれないけれど、1話はスピードと衝撃でそれどころではなかったのでしょう。

狂気的な態度で生徒を圧し課題を出す柊先生。
課題の答えの中心となる生徒は目を逸らしていたものと向き合うことになり、柊先生の本気のメッセージタイム。
そして次回のテーマとなる謎が生まれる。

なるほど、こういう感じ。

ところでこのメッセージタイム、すごい正論を言っていて、ちぐはぐ。でも今のところはどちらかというと本当は生徒想いの教師なんだろうという気持ちが勝つんですよね。

まだヤバイ部分は見えていないと思います。爆弾仕掛けて生徒を人質に取って血まみれ沙汰やってる時点でヤバイんですが…!!えっ麻痺しそう!どうして…?!

というのも、2話の柊先生は非常に人間味があると感じました。そういう手法…?ヤバさを際立たせるための…?

人間味がふいに顕になった、と言うべきでしょうか。柊先生にとってのキーパーソン・相楽文香からの電話に動揺を見せたことで。
しかも柊カメラの相楽さんを見る限り、ありきたりなカップルの居酒屋シーンが思い浮かびます。一方で、彼女にDV行為をしていた、とか、相楽父に「あの男は恐ろしい人間ですよ」と言われている、とか。ちぐはぐだなあ。

要するにまだまだ謎がたんまりというわけですが。

あと「中尾の手」と言って見せたものがフェイクだったのが余計に人間~~!と思ったのですが(正気ではない)生徒達から見れば「マジでヤバイ」わけですよね。バラバラにしてホルマリン漬けとか言われたら、そりゃあね。視聴者とキャラクターの間で認識に大きな差が生まれた瞬間です。これビルドでもあった気がする…!!見ている方は分かっているのに、みたいな。
バラバラにしてホルマリン漬けが「なーんちゃって」だったおかげで、中尾蓮くんが生きていることはほぼ確実となりつつあります。食べかけのパンとおにぎり30個(残った生徒28人+柊先生+中尾くん)が裏付けで。

内通者の存在も明らかになり、これからどんどん話が転がっていき謎=仕掛けが発動していくであろうことが予測できます。うん、知ってる!ビルドで学んだこの感覚!脚本ってこんなに個性が出るものなんですね。ここ一年くらいで知りました。本気でハマるとよく分かります。

爆弾仕掛けて生徒を人質に取って血まみれ沙汰やっている時点で正気ではないんですが、柊先生が生徒を変えようとしているのは本当のように思えます。
その根底にある気持ちも、すべて。
ただやっぱり、正気ではないんですよね。つまり生徒を変えようとしていることは本当の目的ではなく、生徒を変えることにより何かを果たそうとしているのでは?と思います。なんせ、相楽さんが非常に生徒想いのようでしたので。
注目を集めようとしていること、そして卒業までの10日間を選んだこと、いろいろ。澪奈の死は偶然だったのか必然だったのか。それとも運命だったのか。

柊先生がやろうとしていることはともかく、このドラマが伝えたいのは"今を生きる若者たちへ"ということでそのテーマは"想像力"なのだと思います。
メッセージとしては力強い。役者陣がうまいんですもの。すごく、重く、伝わってくる。菅田将暉が教師役…って反芻してしまいますね。初見(7年前)のイメージが拭えず…
想像力の欠如ってゆるやかに進行するものだと思います。定期的に振り返らなきゃ。このドラマを見ながら、「あー…分かる…想像力のない人いる…」とか思っちゃうのですが、人の振り見て我が振り直せといいますか、こうして自分自身に気付かぬまま劣っていくのは避けなくてはいけません。心の底からまじめに視聴しよう!と思います。

ところで、このドラマはほんとうにちぐはぐ。人間味と狂気。ドロドロ学園モノかと思いきやハッピー学園モノエンディング。そう、とくにエンディング!あれは伏線なの?!
そして朝礼ダンスですよね。あれ全員踊れるのすごくない?わたしぜったいむりだよ、手と足が同時に動きません。えっ覚えさせられたのかな…朝礼ダンス……





神尾楓珠くんの顔が好みで目を逸らしたい。


さあ、どうなる第3話!

次回、真壁くん*1がよく喋る回のようですね!楽しみ!

*1:アンナチュラル7話で自殺した生徒を演じていた神尾楓珠くん、非常に顔が好み