壺の中の泉

きらめきたい

メサイア-悠久乃刻-初日感想

 はじめに。メサイアデビューするなら悠久がおすすめです。今です!メサイアって難しい、過去作多くてよく分からない、という方も悠久は楽しめるんじゃないかなあと思います。何よりも今回、メサイアデビューが悠久っていいなあ、という感想を抱いたのです。

messiah-project.com

 改めて、悠久乃刻初日おめでとうございます。

 ※ここからネタバレです。


 有賀と加々美の卒業ミッション。翡翠以来二人揃ってまともに卒業した試しがないためもう何が起こるか分からない。開演前ずーっと怖いよ〜〜〜〜って喚いていました。
 でもまあまずは卒業おめでとう!

 悠久はとにかく過去最高に美しい物語でした。儚さと透明感と力強さを兼ね備えた美しさ。そしてどこか危うさも残る。
 (なにより二人のビジュアルがハチャメチャにいい(大事))

 マイナスなことだけ先に言うと、大人の事情ってあるんだなあ大変だなあ仕方ないのかなあ…と思いました。
 「間宮」をどこまで出すのか。わたしは正直に言うと、チャーチを旅立つときの有賀が胸に手を当てて「間宮もここに」はしっくりきませんでした。(言い方悪いけど、有賀の言葉というよりも制作側の意図が働いた有賀の言葉に聞こえた)でもそこだけです。その解釈のバランスは個人差があるから何が正解とは言えない。大人の事情め〜〜〜!
 「悠里」についてはわたしはしっくりこない点はありませんでしたが終演後の様子を見るに、何か思うところがあった人は少なからずいるかと思います。
 メサイアは相変わらずありとあらゆる事情をストーリーの中にうまく組み込むなあと思います(褒めてます)。雲井おじがサードニグマに拾われて生きてたという設定のことです。雲井おじ再登場を望む声多かったんでしょ?!だってわたしも見たいもん!!

 さて、悠久初日の雑感。
 劇場に入ったときにセットがいかにもやばそうで果たして本当に二人で卒業できるのか不安になりました。でもあのセット、すごく好きです。映像版チャーチ(某キリス○ンカフェ)みたい。それに月も連想しました。
 あのセットにはどういう意味があるのかもっとよく考えたいです。


 有賀と加々美について。
 なんとなく感じることなんですが、加々美の有賀に対する気持ちが終始強い、強い。
 これって「病気」あるいは「習性」にも思えます。加々美が加々美であるからそうなのではなく、加々美がそういう性質を持っているがためにそうなんだ…って。
 チェーカー曰く「依存性パーソナリティ障害」という病名がつくようです。病名つくんだ…って思った。卵組は共依存だったけれど、今回は加々美が有賀に依存して、有賀が応えている感じ?有賀の加々美に対する諸々が読み取れないので次から注目したいなと思います。
 加々美の有賀に対する依存は暁ではあまり感じなかったけれど悠久は強く感じた。明言されたからというのはあると思いますが…。

 加々美は健気すぎる。それも性質なのかな。
 バイオリンを練習した、って健気すぎじゃないですか?!それけっこう前からなんでしょもしかしたら暁前後からやってたかもしれないんでしょう………「加々美とバイオリン」ってあまりにも融合した時の尊さが凄いのでびっくりしました。でも有賀の目を覚まさせるのがバイオリンの音色じゃなくて加々美の声だったのはよかった。バイオリンの音色に「やめろ」と叫ぶ有賀は何だったのだろう。
 「涼の願いを」って言う加々美の健気さと小ささと危うさは最高〜〜〜!って思いました。杉江くんの加々美の演じ方が好き(?)「涼」って言い方も、あ〜〜これ〜〜〜〜!って感じでした。依存性を感じるって言えばいいのかな。今はまだうまく表現できませんが。暁のラストでいきなり「涼」だったので今回最初は違和感あるかなと思ったら意外と腑に落ちて。暁からだいぶ時間経ったんだなって一番最初の「涼」を聞いたときに思いました。

 有賀は人付き合いが下手な人間として描かれてきましたが、こうして最後まで見てみるとシリーズで一番人とのつながりが色濃いキャラクターだなと思います。白崎と同じくらいかな。いろんな人を背負っている。
 悠久を経て有賀は生きてきたこれまでの記憶が完全になったんだって思うと突然救われた気持ちです。
 チャーチの頃の記憶がなくなっている間、間宮のことも忘れていたのでしょうか。加々美のバイオリンの音色に拒絶反応を起こすあたり忘れていたことにはなるのかな。
 加々美の姿にはあまり引っかからず「メサイア」というワードには強く引っかかるあたりが有賀らしいなと思います。

 ところで井澤さんあまりにもスタイルがいいというかアクションの時に足の長さが目立つので「足長い…」って両手で数え切れるか分からないくらい思いました。

 「今までで一番ひどい目に遭わせる」なんて言われていましたが、たしかに散々な目に遭っていたと思います。終わりがあまりにもよかったため少し麻痺しますが…。
 加々美はチップを取り出せば有賀のことも含め記憶を失うと言われているのにメサイアである有賀がサクラ候補生としての記憶を失い自分のことを忘れるという仕打ち。そして育ての親をその手で殺すという事態。親の敵とは言えつらいよねやっぱり。すごく苦しい表情をしてサリュートに「大丈夫か?」と言われるのを見て、ああ………………ってなります。
 そういえば記憶を失うということについて、忘れたい「こと」はたくさんあるけど忘れたくない「人」もいるって言い方にぐっときました。
 有賀はシリーズで最もひどい目に遭わされていると思っていたのでこれ以上どうする…?!って感じでしたがかつての親友(?)を殺さなければならないという、またか………?!みたいな……でも加々美が一緒に痛みを分かち合うって言ってくれてるもんな……………………

 加々美の「依存性パーソナリティ障害」は自分で決めることができないというのが特徴的ですが、ニグマ有賀の「シンに従う」という姿勢がそれに似ているな〜〜なんて思います。

 有賀は「世界を守る」という「願い」を間宮を通して胸に抱いた、そしてその「願い」を一緒に叶えたいと加々美が言って、二人で願いを叶えるんだってサクラとして生きていく。「願いを叶える」っていうどこか曖昧な概念がエモい、なんかひたすらエモい。美しい。
 無謀な願いなんですよね。わたしはこのシリーズを見ていてそう感じます。
 有賀と加々美はちっぽけな儚い光のような巣立ち方をしたなと思います。美しいよ〜〜〜〜!

 初日前に「生死について語ること」という悠久についての誰かの発言を見て、エッ生死…?こわ……なんて思っていたら、有賀と加々美とか誰か特定の人物単体の生死ではなく、有賀と加々美や誰かの周りで起こっている生死についてがテーマだったのでそっちか〜〜って思いました。
 「人が死ぬって大変なことなんだ」って言う加々美がすっっごいリアリティに溢れていて生々しくて杉江くんすごいな好きだな…って成りました。見るたび好きになるタイプだ…………。

 今回観ながらわりと早い段階から、美しい……美しい物語だ…って何度も思っていたんですが、ラストの橙色の背景にジャンプして飛び込んでいくシルエットがあまりにもきれいで悠久の美しさが凄すぎる、やはり美しい物語だった、と思ったので悠久を一言で表すなら「美しい」です。
 メサイアシリーズで一番どころか今までで観たあらゆる作品の中で一番美しい。これ以上なく美しいと感じました。あくまでも主観です。


 そして次世代の候補生たち。
 当然のように柚木・御池でメサイアでしたね。万夜さまの希死念慮がすごいな〜〜って思いました。小太郎に「殺されたい」って言い出した(しかも言い方が強い)とき何言い出すんだ…?!ってとんでもない気配を察知した。万夜さまが死にかけてるときの小太郎の慌てぶりとか助けたいって気持ちに溢れてる感じとか、やっぱりほっとけないんだな…って思いました。
 殺したいと殺されたいって望みは一致してるのに絶対そんなことできなさそうな感じ、エモいですね………。
 それから小暮・雛森メサイア。おそらく一嶋クローンで一嶋さんに生きていて欲しい(ただし恨み)小暮と一嶋さんを殺したい(恨み)雛森ってまたすごいですね………この世代の候補生達は殺意にどうかされてるんですか?
 ていうか雛森千寿がずるい、ずるすぎる。なんかすごいむりなキャラクター現れたやばいぞ。雛森千寿さん、ソシャゲの最人気キャラクターだよ…………「雛森千寿だ」が乙女ゲとかソシャゲの初期のキャラクター選択の際の自己紹介ボイスだよ…………………
 「雛森♡♡♡♡♡」って思います(どういうこと?)
 キュウレンジャーを見ているせいで5年眠っていたという設定から当然のように不老不死って認識してしまい*1違うよと自分で思いました。でもそれはそれであり…って思います。クローンと不老不死って最高では?でもクローンって早死にの可能性あるんだっけ…?えっ……
 ところでクローンということは小暮の思考や彼に起こりうる事象は環境の影響を受けるとはいえほぼすべての生理現象は一嶋さんと同じ道を辿るんですよね。というか一嶋さんの若かりし頃って今の小暮のあのままなんですよね。な、なるほど……………
 第三世代もすごいことになりそうです。悠久終わったらメサ離れする〜〜〜〜って言っていたわたしはなかったことにします。翡翠の時も同じこと言っていたのでメサイアからは逃れられない、メサイアってすごい作品です。ずるいなあ。

 (追記1)サリュートとスークは新シリーズの三栖と周のようだしきっと裏の主人公枠かな…?!
 (追記2)メモリアルフォトブックが正真正銘の卒業アルバムでびっくりしました。


 悠久乃刻、「メサイアって美しい」を現したような物語でした。
 儚く危ういちっぽけな光の美しい物語、そんな感じ。終わったあとに笑えて良かったです。めちゃめちゃ笑顔でスタオベしてる未来は初日前まったく予想していなかったな………
 たまたま空いた日のチケットを一枚増やしました。画がよくて映像(DVD)映えもしそうですができる限りこの目に焼き付けておきたいのです。円盤買うつもりあまりなかったんですが映像映えしそうすぎてもう予約する気満々ですね………。
 翡翠ぶりの生メサイアでしたが、「生」という点においても物凄い進化を感じました。アクションチームの戦闘中の声がマイクなしでも迫力があって気圧されそうでした。
 これでもまだ初日なので今後どうなっていくのか楽しみです。


krgph.hateblo.jp

*1:キュウレンジャーに何年もの眠りから覚めたキャラクターが不老不死だったので