壺の中の泉

きらめきたい

かなしみを笑顔に変える、華やかな王宮歌劇――ミュージカル「王室教師ハイネ」

 先日東京から地元へ帰還しました。楽しかったな~~!手持ちのチケットが一気に減ってまた通常サイクルに戻るのはつらいですが、今回の遠征で(将来の安定したおた活のために)もっとがんばらなきゃって思えたのでがんばります。

 さて、王室教師ハイネの話をします。
 
www.musical-heine.com

 初日マチソワでした。六本木に行くといつも雨が降ってる気がします。あと地元でライビュにも!
 
 手始めに本編外の感想。雨の中で物販列に並び、チケットを確認されたのにもぎられなかったのでおかしいなと思いながらやっと劇場内に入ったー!と思ったらまた外の入場列に並ばされて(なんで??!)ってなりました。物販入場同時にできなかったのかな……傘が小さくて雨に濡れてしまいかなしかったです。
 あと客層の雰囲気にあまり慣れておらず戸惑いました。あからさまにおたくがいっぱいいる(つまり最多数)現場、初めてに等しかったかも。こわいよー!(こら)
 初日のマチネにも関わらず、当日券列は70〜80人くらいでした。予想の10倍くらいいました。入れたのは1/3ぐらいかな。それでもかなり入った方だと思うんですが、おそらく転売疑惑席が多かったのでは。わたしは抽選順が遅くサイド見切れ席でした。
 ソワレは最前ドセン(円盤先行の自名義です)でしたが、とにかく近い!座席とステージの距離が1メートルもなかったです。客降り用の(?)階段を一段超えなきゃ端まで歩けないの……最前列のメリットってただただ近いことしかないなと思いました。前に障害がなくとにかく近いというだけで大きなメリットだとも思いますが……。ブルーシアターに限った話です。
 ところで廣瀬さんのあのお辞儀が好きなんですけど至近距離でそれが見れたのが本当によかった。一番印象に残ってます。笑

 あとライビュですが当然のようにカメラワークが解釈違いです(こら)(固定カメラと解釈違いは当たり前)


 ここから本編の感想!ネタバレあります。
 

 まず物語の展開に困惑しました(予想していなかっただけ)。アニメではハイネの過去が終盤で語られましたが、ミュは過去の話を合間合間に挟んでいました。あとはまあアニメとほぼ同じです。原作のミュージカル化というよりもアニメのミュージカル化。
 アニメ・ミュージカル「王室教師ハイネ」はざっくり言うと4人の王子がハイネ先生とのエピソードを通して先生と打ち解けて何かを知ったり学んだりする物語です。なので物語におもしろい伏線や起伏があるわけではなく、いくつかの独立したエピソードにより展開される…といった構成。
 アニメとしてはたいへん楽しく見ることができたのですが舞台化となると脚本的なおもしろさは厳しかったのではないかなと思います。(内容知ってるし)視覚的または聴覚的に…五感で楽しむミュージカルだったかなあ…という印象。
 脚本はめいこい歌劇と同じ方のようで……めいこい歌劇でチャーリーに関する重大なネタバレがなされてびっくりしたという話を聞いていましたが(わたしは配信で観ました)、こちらもローゼンベルク伯爵が「私もあなたのような教師に出会えていれば…」と言い出してとても驚きました。何その匂わせ…?!


■ローゼンベルク伯爵
 さて、流れでローゼンベルク伯爵の話をします。
 幕が開くとローゼンベルク伯爵が中央に立って光に当てられていました。少し驚きましたが、終わってみるとローゼンベルク伯爵がこのミュージカルを動かそうとしていたのかなあ、と。 最初から最後まで存在感がとても大きかったです。

 ローゼンベルク伯爵「\カプツィーノ/」は申し訳ないけどちょっと笑ってしまった。発音がいい………あのカイとブルーノに関するゴシップ記事の話をするところです。\カプツィーノ/のような甘い話ではないですよ〜のところ。カプツィーノ!

 ハイネ先生の過去を突き止めて、王宮から退くよう交渉するとき、そしていざその交渉を成立させるとき、なんだか苦しそうでかなしみを背負った人のように感じました。ずっとアインス様のお側に仕えてきて、アインス様に必ず国王になっていただきたいという強い気持ちがあるのだと思います。
 ヴィクトール国王が「アインスは(国王に)ふさわしくない」と言っていますが、ローゼンベルク伯爵はそれを感じ取っているのかなあとも思います。「不安」であるが故に4兄弟を国王候補から脱落させようとする、それって苦しいことだよね。
 
 そういえば演出の吉谷さんが「悪役」と称していて、そうなんだあって思いました。


 かなしみを背負うのは「悪役」のさだめなのかもしれません。

 余談ですが、やはりミュのローゼンベルク伯爵とめいげきのチャーリーを重ねてしまいます。


■カイ
 安里くんかっこいいよーーーーー!
 さすが座るだけで「キャーー」って言われるひと!!*1
 存在がそのままカイ兄だ、と思います。全身隅々までカイ…みたいな。ほんとうにほんとうにカイ兄を体現している。あの独特の、カイそのものの佇まいはどこからくるのかなあなんて考えています。すごいなあ。

 そういえばライビュの寄りカメラでアイメイクがかなり暗めだなと感じました。眉と目の間全体に影が入ってる。
 ハイネ先生が王室教師をやめる!どうしよう!という4人のシーンで、カイの座り方がまさに近づきがたい人のそれで、でも本当はぼんやりしているor何か耽ってるんだろうなって思って、それにかっこよくて、かっこよかったです。
 日替わりの挨拶の練習で、大千秋楽はカメラ入ってるからカメラを父上の銅像(?!)に見立ててカメラに向かってやってくれたんですが光が全く当たってなくて真っ暗でした。くらいよーーーみえないよーーーーでもそういうとこさいこうだよーーー!!
 それにしてもあまりのカイっぷりに安里くんってほんとうに存在が奇跡だなあって思いました、完。

■ブルーノ
 もしかして黙ってればイケメン枠ですか???
 ブルーノ兄様、ほんとうに声がいいなとしみじみ思うのでただただ歌っててくれ……なんて思ってました。ブルーノ兄様素敵です………(CVレオンハルト
 ブルーノが「才能のある兄」と言ったときに、カイ兄が後ろに出てきたことに、(ほ、ほう…?)となりました。
 ブルーノにとってはアインス様はもちろんだけれど、カイのことも才能のある人だと思っているんですね。作中でアインス様は何でもできる天性の才の持ち主だと描かれていますが、カイについては父上が「能力に問題はないがコミュニケーション能力に劣る」と言った程度でそのあたりについてはあまり言及されていませんでした。わたしはカイの才能は、あの存在そのものだと思います!!!(雑)コミュニケーションには難ありですが"ピュアさ"が彼の才能なのかな。あんなに心の底から優しいことって一つの才能だと思う。
 でもブルーノにとっての才能ってなんだろう。何でもこなせて発想力があること?それとも………
 その人の魅力=才能になり得るとも思うので、ハイネ先生やドミトリー教授がブルーノに対してそんなことないよ的な声をかけるのはそのとおりだと思います。
 あと師匠!!!ってなるのがかなり遅くて。他の三人のエピソードの後でした。
 師匠!!!!!の感じが安達さんのあの雰囲気(伝わるはず)にぴったりだとずっと思っています。
 
■リヒト
 気軽にリッヒーって呼んじゃう!!!
 蒼井翔太さんのことはハイネで初めてちゃんと知りました。パフォーマンスがいつも安定してすごい、それに独特の魅力があるなあ…と。
 ミッターマイヤーのエピソードは独特の迫力(なんでも"独特"で表現しようとする…!)で引き込まれました。
 あとアドリブ対応?回収?がすごいなと思いました。カイの日替わり客席絡みで名前が出ればそのあとくしゃみをして「誰かが噂している」と言ったりカイに呼ばれたハイネ先生が異次元(※客席)に行って戻ってきたあとに「さっきいなかったよね」と言ったり……
 アーティスト!って感じで個人的には好きです。とにかく声が魅力的だ。

レオンハルト
 レオンハルト最高だよ~~~~~!!
 しょーんってなったりきょとーんってしてる顔が可愛かった。カイの袖をつまんでたり後ろに隠れたりカイにぴったりしてる瞬間も多々あってわたしが楽しかったです。


 レオンハルトとカイが並ぶと全世界がお花畑ですね。

 「~です」って語尾で喋ってる時の小ささがよかった。小さいのにパワーに溢れている。
 それから声と佇まいがレオンハルト(15)だなあと思いました。
 レオンハルトみたいな子って感受性が豊かで心が純粋で発する言葉にはハッと思わされます。ミュはまさにその通りで……いい意味でどきどきする。
 どのくだりだったかは忘れましたが「かなしい」の言い方が好きでした。ハイネに限った話ではありませんが、言葉の紡ぎ方が丁寧できれいだなあと感じています。

僕は大介とはミュージカル『ヘタリア』でご一緒させてもらってて、とても力があって頭のいい人だなと。そういう彼がオバカキャラを演じることが面白いなって思ってました。

【インタビュー】「王室教師ハイネ-THE MUSICAL-」演出・吉谷光太郎さん | 2.5news

 たしかに……って思ったのと、やっぱり吉谷さんすごいなーって思いました。この一文にビビッときただけで感想みたいなもの述べる語彙はまったく思い浮かびません。

 ライビュでは出てくるたびにヒエッ…てなってて両隣だった方失礼致しました…。生だとそんなことないんだけどライビュとか観るといつもヒエッ…てなるのなんでだろう………
 あとやっぱり踊ってる姿が最高に好きです。なんであんなにこう……くせになるんだろう。
 そしてキャラソン!ですね!かわいい!かわいすぎやしませんか??!トルテよこすよ!!!!!
 ところで(CV廣瀬大介)の「名前を呼ぶ声」が大好きなんですけど(A3!のバースデーボイスは最高)ハイネだと「ブルーノ兄様」が最高に好きです。


 わ、分かる……

 とにかくパフォーマンスが好き!と思うので今後いろいろと楽しみです。

■ハイネ先生
 植田さんの圧倒的安定感が好きです。あといつもクライマックスに泣かされます。
 そして涙がほんとうにきれい。
 擬音の表現もよかった!かわいかったです!ちゃんと二頭身だなあって(?)
 この作品はミュに限らず王子+ハイネ先生でなにかと展開されるので植田さん常に出ていてたいへんそう…って純粋に思ってしまいます。でも同時にそんなハイネ先生が常に素敵で「安心」のような気持ちを抱きます。
 触れる作品に植田さんがいると嬉しくなります。しかもかなりの確率でいらっしゃいます!嬉しい!笑

■マクシミリアン
 マクシミリアン役の星さんは初舞台だったそうで。初日に「初舞台だから緊張してる!」というメタ日替わりがありました。夜は「さっき初舞台を終えたから緊張してない!」でした。一緒にいたローゼンベルク伯爵が「壁に向かって何してるんだ…?」というお決まりのオチです。
 マクシミリアンくんはまず顔がマクシミリアンくんでした。そのまんまやんけ………あと背が高い。
 初舞台詐欺多くない…?というかこうあるべきなのかなとも思います。
 それにしても顔がマクシミリアンです(2回目)雰囲気もまさにマクシミリアンだったなあ。なにかとずるくてこれから注目したい!と思いました。

■特別授業
 終演時間は前後する可能性がありますので余裕を持ってお越しください、という公式の注意事項を読んで「???」となっていたのですが、たしかに終演時間は前後しました。カテコは一回のみですというポ○マジお馴染みのお知らせのあと、みんながハケていく!もうさいご!目に焼き付けなきゃ!というところで「……とか言いながら」ってハイネ先生が!教育的指導*2をしてくれて!!キャラソン!!!!!
 ハイネって楽しい~~!最高~~~!が最後の特別授業に凝縮されていました。 

■アンサンブル
 吉谷さん演出の作品はアンサンブルが濃いめだと感じます。とくに今回はいつもに増して…!全員がメインキャストと言ってもいいぐらいです。 
 そのアンサンブルの衣装をいつもなにげに楽しみにしていますが、なんと英字新聞のような柄!シルエットもいいな!わーー!いい!テンション上がりました。笑
 英字新聞はグランツライヒ王国の世論=国民を表しているのかな、なんて思いました。
 女性陣の声がきれいだったから音的な意味ではうるさすぎずよかったと思います。
 帯くんはヘタミュ、スタミュミュとみてきて、今回ラルフを演じられていたのがすごくよくて、なんだか感慨深かったです。笑 
 仲田さんはかなり目を引きました。繊細で華やかな踊りをする方だなあ…と。いると安心する方です。
 

■まとめ
 イッツソーハッピーミュージカル!を想定していましたが、思っていたよりもシリアスの配分が大きかったなと感じています。
25news.jp
 この記事で「エリザベート」「レ・ミゼラブル」が挙げられていますが、こういったミュージカルの華やかさとハイネの華やかさはどこか通ずるなあって思います。名前が挙がっている以上は少なからず意識されているでしょうし……

 「王室教師ハイネ」のゴールの一つは時期国王が決まることだと思うのですが、原作はレオンハルト、アニメはアインス様、ミュはカイが最も国王に近いなあと感じます(※主観です)。
 終わってみると今でも強く印象に残っているのはカイ王子です。まさにカイ!という雰囲気がどこから出ているのか甚だ疑問です……歩くだけで目を引くな~って思います。むしろそこに立っているだけでカイ………!!!ってなります。
 あとミュのローゼンベルク伯爵はとてもしんどいお方でした。幸せになってくれるといいなあ。そういえばラルフくんもカイに「王宮の兵士を目指すといい」と言われますが、この作品は誰もが笑顔になれることを目指しているのかなと思います。悪いことをした人間も罪を償って一緒に笑顔になろうね…って。
 原作の展開もなかなかしんどいなあって思っているんですが根本はハッピーロイヤルコメディ!みたいな感じだと思うので、これからも楽しんでいきたいです。
 イベント等や円盤発売はまだあるとは言えアニメもミュージカルも終わってしまいました。2月からずっと楽しくてハイネがあってよかったなあって思うのですが、今後はとくに大きな何かが用意されていないので……どこかで区切りをつけるのでしょうか。原作がもうちょっと進んだら2期やってほしいなあとも思います。1期の終わり方が原作と違ってもなんとかなると思う……ので………でも今一番見たいのは9巻のエピソードです。9巻、盛りだくさんだし話もかなり動くししんどい!
 レオンハルト「馬車の音が嫌いになるな」をCV廣瀬さんで聞きたすぎるのです。9巻を読んで3日はそのことばかりを考えていたぐらい、このセリフが聞きたい!
 とにかく楽しいコンテンツだったのでミュが終わるのはちょっとさみしいです。
 これからどうなるの…?!で終わるのもなんだか不思議だなあ。でも原作は続いていますし、この大きな作品展開もきっとまだまだ続くと信じて、これからも楽しんでいきたいです。

*1:大千秋楽カテコ

*2:教鞭でビシッてやるやつ

儚くて美しく、きれいな血みどろの世界を思う――メサイア-悠久乃刻-より

 ※※ネタバレしています。
 ※※例のごとく長いです。
 ※※今の段階で考えていることです。
 ※※マクロなことは最後に書いています。

messiah-project.com

 鋼、暁、極夜と苦しくてどうしようもない物語が続いたメサイアシリーズ。悠久乃刻、観劇してきました。
 極夜を観てこのシリーズが恐ろしくなって2枚に減らしたチケットが気付けば7枚になっていました。(ハイネ東京楽の良席を蹴って悠久東京楽の当日券に並びました)あの美しい物語を浴びる中毒性と雛森千寿にやられたせい。
 ところで今回とんでもない出会いを果たしてしまったんですけれど、山本一慶さん、ほんとうに名前しか存じ上げなくて全く見たことなくて……でも初日の「雛森千寿だ」を聞いた途端恋に落ちました!(言わせてくれ)舞台青エクの円盤を買ってみたり*1カレンダーを買うためにATM振込の新たな術を覚えたりFC加入のために郵便局の窓口で振込する術を覚えたりしました。上京するまでメサ以外で遠征しないと決めているのでこのタイミングでこれは悔しすぎるんですけれどね…………ノーマークから生の姿を観て一瞬で落っこちる経験がなかったので未だに動揺しています。
 おかげで絶対上京してやるんだと改めて思ったからしゅ…かつのプランも見直し始めました。人生ひっくり返りそうじゃん……(混乱)

 さて、まじめに悠久乃刻を振り返りたいと思います。

総じて(有賀涼と加々美いつきについて)

 とてもとても美しい物語でした。そしてとんでもなくエモーショナル。
 悠久乃刻の中で出会った有賀と加々美は二人で卒業することができました。心の底から、おめでとう!ほんとうによかった。
 気付けば大好きになっていて、幸せを祈っていた、有賀・加々美のメサイア。また長ったらしく語るかもしれないと思っていたけれど彼らに関してはもう何も語る言葉が出てこない。こういうことを「感無量」と言うのだろうなあ。
 彼らの卒業を語る上で「二人の願い」は欠かせません。有賀が「永遠に争いのない世の中を作りたい。誰も悲しまなくていい世の中を、お前と一緒に」と加々美に言うシーンの美しさは100カラットの宝石にも勝ると思います。儚くて尊くて透き通った、そんな美しさ。この「願い」は間宮のバイオリンの調べ、死、そしてその真実を通して生まれたもの。
 ところが有賀は第三の闇時代の記憶を一部失っていたという衝撃の新事実!サクラ候補生、加々美のメサイアとしての記憶を奪われ、第三の闇時代の記憶を蘇らせられた有賀はなんと「世界の矛盾」に怒りその世界に「神の鉄槌」を下そうとするハングドマン=神門シンとともにあり彼を魂の一部だと言う。初日観たとき(お、おう……)ってなりました。
 それでもやはり、記憶をすべて取り戻し、つまり記憶のパズルピースが完成した(これまでは欠けていたと言える)有賀は加々美との「二人の願い」のために生きようとします。
 シンは有賀にとって魂の一部であることは恒久的な事実であり、そんな有賀の魂は間宮に救われ、間宮の魂をも背負っている。そして有賀は加々美と深い絆を結び彼を魂の伴侶=メサイアとして共に悠久の刻を生きていくことになった。これが有賀と加々美の卒業についてのわたしの解釈です。
 間宮は影青からのキャラクターで鋼で壮絶な物語を描かれ、我々(?)にとっては大きな存在ですが、有賀にとってはシンも間宮と同じぐらい大きな存在だと思います。間宮とシンは相反する同格、といったところでしょうか。
 有賀と加々美の二人の願い、そして彼らの生きざまは儚くてきれいで美しいと思いました。エモーショナルポイントそのいちです。
 わたしは彼らに幸せになってほしいとずっと祈っていました。悠久を経て、果たして彼らは幸せになったのか?これはハピエンだったのか?と時折ぐるぐると考えています。でもメサイアというシステムそのものがメリバだと思っていますし、国籍も戸籍も末梢されてサクラのように散るのみである彼らについて「幸せ」という枠組みの中で語ることが不条理なのかなあなんてところに落ち着きつつあります。彼らはとてつもなく究極な世界に生きていて、幸せであるとか不幸であるとかそういう概念の存在しないところで、唯一の救世主に魂をゆだねる運命にある。その極限性。なんてエモーショナル!こう考えると高殿先生ほんっっとうにものすごいものを生み出してくださったな……と思います。いや~~~メサイアは最高です!


 そしてけっこう前から自分の中でテーマソングにしていたこの曲、悠久を経ても変わらずこれだ…!と思ったので紹介します。わたしの中での彼らのテーマソングです。
www.youtube.com


反する者達

■ハングドマン(神門シン)
 演じる村田充さんが東京楽のカテコでメサイアの歴史上一番切ないテロリストを作ろうと思いました」と仰っていました。まさにそうだな、とすとんと腑に落ちてきました。本当に切なくて、まるで世界の混沌を一身に受けたような、こうなるために生まれてきたような存在。人間味がないな、と感じているのですが*2神門シンは神様に創られた存在なのかなあと考えています(そもそも人間は神に創られたとかはさておき)。世界の罪を裁くために神様が生み出した存在。その神様は世界を変えたいとか罰を与えたいとかはなくて、ただ「神門シン」という存在を創り出した時点で裁きは完了しているのかな、と。名前がずるいですよね。神の門にシン=sin=罪って……ほんとうに神様に創られた存在だって思う。(「存在」って言いすぎ!)
 でも有賀と加々美のメサイアを目撃して、身をもってその生き様を知り、「美しく醜い世界を正してくれ」と有賀に託しました。光を知って彼は最期に救われたと信じたいです。

チェーカー(雲井蓮)
 このクズおじ!彼が魅力的に映るのはアラケンさんがすごいからだと思います(ざっくり)。顔もいいしね(大事)
 チェーカー再登場は暁のアンケにそれを望む声が多かったからだと踏んでいるのですが(こら)、暁でサリュートに殺されて退場するあの様子もクズな彼らしくていいけれど、やはりいつきが殺さなきゃ終わらないよね。自分が生み出したネクロマンサー、そして加々美いつきに殺される最期、助けてくれと懇願する姿はまさにクズ。撃たれる直前に銃をいつきに向けようとしたのは一体なんだったのでしょう。いつきが自分の手中から離れてしまったから?チェーカーはいつきの育て親ですが、そこに「愛」は存在したのか。存在したのかもしれません。歪んだ愛は思い通りにならなかった時に対象を殺すことだってあるんだ(おたくとして得た知識)。
 そして自我をそのままに操る必要性って戦闘においては必要ないと思うんですよ……いつきを苦しめるという目的ただひとつのためにそんなもの開発しちゃうクズおじ最高です。やっぱりこれは歪んだ愛ですか?う~~~ん、「これは歪んだ愛ですか?」って煽り文が雲井といつきのスピンオフ作品のフライヤーにめちゃめちゃ似合いますね……!
 ところでこれだけクズって言われても作中では一度もそんな表現はされたことがありません。チェーカーはやはり雲井蓮に過ぎないのでしょうか。彼もまたとても深い人物だったなあとしみじみ思います。

第三世代

 バベルの塔では彼らの物語もまた進みました。メサイア、決まったね!これから楽しみだね!
 第三世代は公演期間中にどんどん深くなっていったなあって。初日と楽日では絆の深さ、あるいは闇の深さ、が全然違う。そのほつれ具合がより強固で複雑になったというか……メサイアに通ったのなんだかんだ初めてだったんですけれど、公演期間中にその関係性が一作分ぐらい変化するというおもしろみを思い知らされた気分です。
 そしてなにより!メサイアの映像作品ではおなじみのあれ、第三世代が拳を突き合わせる姿を早く見たいです。わたしは雛森千寿に心を奪われた女なので、そこに雛森がいることを想像するだけで心がしんどくなります。だって一人だけベテランっぽくて抜きん出てる(俯瞰しているようにも見える)彼が他の3人と肩を並べてぐってしてるの……どう考えてもヤバイではないですか?
 第三世代みんな死にそうでこわいです。全員無事卒業してサクラ衣装をまとってる姿を見せてよね~~~4人分のサクラ衣装楽しみにしてるんだから~~~~~!
 
■柚木小太郎・御池万夜 
 御神体を自分の手で殺したい照る日の杜元信者である柚木、照る日の杜元御神体である御池の因縁深~~~いメサイア。一嶋の趣味に恐ろしいほど見合った二人です。それだけでなく、今回は万夜さまが小太郎に対して「僕は君に殺されたい!」なんてところに落ち着いてしまったので……でも万夜さまが御神体だったことを知らない小太郎は「願い下げだ」と言う。でも今の小太郎に万夜さまが御神体である事実を知った時に万夜さまをその手で殺すことはできなさそうだなあとも思います。もうそれが簡単ではないところまできているな、と。
 万夜さまの希死念慮はどこへ向かうのでしょうか。小太郎と二人で生きる道をその意思で選ぶことはできるのでしょうか。
 それから「死にたいなら勝手に死ねばいい」と言いながら万夜さまを助けようとする小太郎が印象的でした。
 死にたい殺したい、そんなことばかりが纏わりついているこの二人は、なんだか無事に卒業しそうな気もします。

雛森千寿・小暮洵
 通称・一嶋の思い通りにはなんねーよコンビ!(違う)恨むが故に一嶋さんを殺したい雛森と、恨むが故に一嶋さんに簡単に死んでもらっては困る小暮。そして小暮は一嶋とイコールである。第三世代の因縁の深さ、どうした…?!
 この二人はメサイアであるお互いのことを自ら知ろうと距離を縮めようとしていて、メサイアとしては比較的順調。
 でも「私の代わりはいくらでもいます」って小暮がなんだかいろんなことを諦めたようなラストに突然地に落とされた気分というか……その前のシーンまでは順調だったよね…?!不穏の種を残していきおった……という気分です。
 一番メサイアらしさを感じる場面は、二人で一嶋さんを敵から庇うところです。一嶋を殺したいはずの雛森「小暮に感謝しろよ」と言い、小暮は「僕の命はあなたのおもちゃじゃない」「あなたを許さない」「だからこんなところで死なせない」などと言って、二人が一嶋を守るような構図になるの、すごいことだと思います。このシーンの二人の言葉すべてが好きです。めちゃめちゃ好きです。(演技的な意味で)
 雛森と小暮はこうなる前に二人になっています。二人で話す時間があって、何かを交わしたのでしょう。雛森が知っている小暮のプロフィールをおそらく双方が知っている事実として共有したはずだし、わりと深い話もしているのでは……小暮の一人称が「僕」になったのも何%かは絶対に雛森によるものですよね…?!もしかして二人が絆を深めて卒業ミッションを渡される時の小暮の一人称は「僕」なのかな……う、うわーーー!(?)
 このシーンがいちばん最高潮で、このままいくかな……と思ったらエピローグ的なシーンで小暮の一人称は「私」に戻ってるし自尊感情の欠如が激しくなってしまった小暮(あのラストを見る前はそれが欠如しているとか思わなかった)にうまいこと追いつけていない雛森っていう不穏なラストを見せられてしまうし何なんですかね。エーーーーン!
 闇が深いのは雛森も一緒で、脚本上は「やつを殺すためだな」とそれに関係する部分でしか彼の持つ闇は分からないのですが、それ以外の部分の佇まいなどに絶対もっと何かあるひとだ……と思わされたのがすごいなあと思いました。有賀が生きてると信じる加々美に「信じるのはお前の自由だ」とへらりと言ってのけた後、奥の方に座り込んで思い詰めている雛森さんがとくに印象的です。ゾッとする美しさを感じました。「酷い」と書いて「美しい」と読むやつです。照明の当たり具合によってはただでさえ色白なのにさらに不気味に美しく青白く見えて、恐ろしさを伴う「きれい」を感じました。
 そして楽日のOP!なにあれ!なんだあれ!三日ぐらい引きずったぞ!小暮の肩に腕をのせる雛森、9日までは通常通りでしたが(休演日前はあまり観ていませんがTLから察するにおそらく変化なし)10日の昼に突然顔が近くなり、夜はあからさまにその顔に翳が落ちていて闇を感じたしまるで小暮に縋ろうとしているみたいな風で、びっくりしました。昼はなんかえろいで済んだのに夜はほんとうにもうなんだこれどうしたの雛森…って感じで、小暮洵という新しいメサイアに何を求めているのだろう、彼が信じるもの、信じたいもの、そして信じられないものは何だろう……不穏だ……と思いました。
 東京楽終演後のお二人の写真を見て、心中しそうな顔してる……とかわけわからないことを思いました。きれいすぎるもん……顔が…………でも作中でこんな風であれる日が来るといいね。祈っています。



 雛森の知っている事実が真実ではない可能性もありますしまだまだ謎多きメサイアです。「一嶋にハメられて5年間眠らされていた」の真相が小暮と組ませるためとかだったら怖いなあ(戯言です)
 小暮洵は一嶋晴海のクローンということでいいのでしょうか。少なくとも「イコール」であることには違いないですね。クローンに関する知識がほとんどないのですが、DNAレベルの事象の一致と先天的な現象の一致はあるが、環境などの外的要因が影響する事象や厳密な人格形成については一致しないと思っています。あと早死にしやすいって聞きましたがメサイアの世界の技術はもっと発展しているので大丈夫かなって信じています。一番の謎は、「凄腕」「スペシャルミンサー」である一嶋さんとイコールであるのに小暮が戦闘能力に劣っているように描かれているということ。身体能力はDNAレベルの事象だと思うんですが……。一嶋さんの戦闘能力が後天的な努力などによるものである、あるいはクローンである代償、とか。
 そんなことよりメサイア発表後はけるときに雛森に一礼していくじゅんじゅん好き……ってなりますね(逃避)。
 あと雛森が小暮の頬をつついて「すぺくたーってなんだ?」(全部ひらがな)って聞くの、かわいい!って思うし小暮がその指を下ろすのを目で追ってる雛森もかわいい!かわいい!って思います。劇中写真にそこ抜いてくれてありがとう……できればあの数秒を映像データでほしいですね(?)そのあと触られた頬を手で確かめる小暮、までがセットです。

 長い!長くなってしまったぞ!さすがわたしの悠久半券の枚数を増やした主犯!!
 まだ分からないことだらけで未知で発展途上の彼らですが、今のところのBGMは主に凛として時雨です。

unravel

unravel


 第三世代、全体的にもっと自尊感情を持ってほしいって思います。とくに小暮くん、君だよ……こういうとき「メサイア」というシステムはいいですねえ(何?)万夜さまは希死念慮はあるけれど同時に自尊心もありそうな気もします。御神体だし。柚木、雛森は果たしたいことを果たしたら死にそうな気がするので……いやあ「メサイア」というシステムはいいですね(だから、何?)
 柚木・御池メサイアは近く歩み寄ったように見えるけれど、雛森・小暮メサイアは深く遠くなったような気がします。それでも、それでも…!第三世代が愛しくて彼らがほんとうの意味で魂の伴侶を見つけてサクラとして散るために巣立つ姿を見届けたいという気持ちでいっぱいです。とりあえず第三世代が拳を突き合わせる姿を早く見せてください。彼らにどんな運命が待ち受けようと、一瞬でも彼らが光を見出すときを見たいです。

サクラの裏側

 で、出たーーーー新刻シリーズの三栖と周ポジションっぽいひとたち…!!サリュートとスークの話です。三栖さん(と周)のファンの方々が信仰上の理由からサリュートを好きになれない(のにあんなのはずるい)と言っているのを見て、そういえばたしかに三栖さんの死に関する直接的な原因は彼らにあるなあと思い出しました。そんなサリュート、そしてスークがサクラに魅せられ、彼らの平行線上でまた物語を継いでいく気配を察知して、新刻シリーズの裏の主人公枠、ヤバイぞと思いました。美しい絶望が彼らを待ち構えている気がしてならないんですもん……
 サリュート父親政治犯で牢獄に入れられた挙句実験体にされ、おそらく息子サリュートの記憶も奪われた。*3それをスークは基本的に嘲笑うスタンスでいますが、「指令を破れば待っているのは死だ」「お前の親父みたいに!」と言って迫るときにサリュートにそうなってほしくないと願っているようにも見えました。もちろん自分も、だろうなと思います。スークの「恐怖心」が垣間見えた。
 スークは父親が偉い人っぽくて、要するに「いいところのお坊ちゃん」なんですね。あんなに戦闘狂でワクワクすんじゃねえか!な感じ(かわいい)なのにどこか上品な雰囲気……あれどこから出てるんだろう?まあつまり宮城くんすごいなって話です。アクションほぼ初めてって……うそだ…………
 サリュートは「祈り」というワードを連想させます。「いつかこの地獄にも光が差す」の恐ろしく静かで誰にも触れられない感じ、サリュートってそういうところあるよねって思います(適当)サリュートは自分が北方の捨て駒だということを理解しているのに「祖国」を守るために任務を遂行している、サリュートはどこに光を見出そうとしているのでしょうか。あとはあのナイフの使い方ずるいな~~~!「僕」に「君」もずるいな~~~~~!そういえばいつの日かのカテコの一人一言コーナーでじぇーくんがさらりと「僕」って言ったのでさりゅちゃん抜けてない…!ってなんかぐっときました。
 「お前の親父に会ったらどうしたらいい?」とスークが問い「好きにしろ」サリュートが答える。(しかもスーク、サリュートのそういうところは嫌いじゃないらしい)スークはもしもサリュート父に会っていたら、どうしたんだろう。殺さずにサリュートの前に突き出すかな。一発も殴らない可能性だってある。(…と思うのはわたしがサリュートとスークに対して「関係性」を求めようとしているからである)
 スークもとっくに自分が捨て駒であることは分かっているだろうし、これからどうするのかな。サリュートとスーク、スタート地点はボスホートの捨て駒ですが、この北方がこの世に生み落とした二人組が世界をどう撹乱していくのか、はたまた世界の隅っこでどう光り散りゆくのか……美しい絶望はこれからでしょうし、二人の運命を見守れたらいいなと……(息切れしながら)思っています。
 ところで政治犯の息子・サリュートとお偉いさんの息子・スークって組ませたのボスホート版一嶋さん(?)かな???おもしろすぎ……(こわい)
 「これから組んでくんだろ」という浪漫に満ちたセリフを残していった彼らの今後が本当に楽しみです。浮世離れした言葉を次々と吐く(祈る)サリュートとワクワクすんじゃねえか!(かわいい)なスーク、不思議ちゃんコンビって呼べばいいですか?(こら)

チャーチの愉快な仲間たち

■一嶋係長
 パ、パパ~~~!(こら)
 このひとほんとうに5係を裏切らない人だなと思いました。安心感あるよね。絶対的な存在です。
 でも雛森と小暮の登場によって彼の絶対的地位が揺らぎ始めたな……と思ったり、でも彼らが一嶋さんに敵うことはなさそうだしある程度は一嶋さんの手中なのかな。結局この作品は「一嶋晴海=絶対」をもとに成り立っているような気がします。ただ、サクラは一嶋さんの想像をも超える人達なんだと思います。有賀と加々美だってそうでした。だからきっと雛森と小暮も一嶋さんの想定の範疇を超えてくれると!信じています!(結局そこ?)

■黒子・Dr.THREE
 公演期間中に些細な変化があったり回ごとに絶妙な違いがあったりする方が多かったですが、この二人は毎回安定していていいなあと思いました(ざっくり)。とくにいつきに対して「選ぶ権利はお前にある」と選択を委ねる言葉の安定感は毎回変わらなくて、いつきが選択する状況・環境は常に一定であるところがいいな……と思いました。置かれている状況に揺らぎ悩むいつきに、常に一定の選択肢を与えるDr.THREE……
 あと「一嶋はクロだ」のくだりの日替わりで黒子「わわわわークロちゃんです♡」がめちゃめちゃ受けて拍手が起きてその回以降ずっと採用されてたの笑いました…最後まで続いた(笑)この二人の日替わり正直あんまり覚えてないから誰かまとめてほしい(人まかせ)見たら思い出すので……
 そして黒子が雛森と同期ですって…!!!あの、あの…!!!!(伝わらない)黒子も暁あたりから話が動き始めて、でもまだその過去には謎があって、これから明かされていくのでしょう。死なないでね……雛森の5年前事件と黒子の過去が関係していたりするのかなあ…ただの同期ではない気がするし、この世代は波乱万丈だったのだと思います。おそらく珀のことも含めて。この世代、まともに卒業した人いるの…?
 ところでDr.TENの再登場はいつですか?

■東間遠矢・小星鉄
 これで自由だ!というてっちゃんですが、彼らはもう普通には生きていけない、そしてそのことを遠矢は知っている感じ。チャーチの愉快な仲間たちになる未来ありますよね?第四世代になるのかな……まるで卵組のような二人、彼らがサクラになるまでのスピンオフ的な作品はいつ上演されるのでしょうか……(紫微ノ章みたいなやつ)というかサクラになる資格を「自由」と表現しちゃうてっちゃん……限界はあることを度外視すればたしかに「自由」だよね。それで生きていけるほど世界は甘くない、と遠矢は知っているので……やはりサクラルート?二人共、とは限らないですが。こちらも楽しみな二人です!また出るよね…?!

雑感

 ここまで長ったらしい文章をまじめに読んでくださった方ありがとうございます!(?)ここからは単発的に思ったことを羅列するだけです。
 
■エモーショナルポイント
 悠久乃刻は美しく、そしてとにかくエモい!芸術的なエモさに満ちている(言わせて)。

・演出
 全体的に演出がエモさに溢れている。ハングドマンが有賀をさらうとき、「久しぶりだな、リョウ」と言ってからすぐに暗転するところはとくに鳥肌が立ちそうでした。「メサイア」のシーン(メサイアである二人が特に深い話をしているとき)にはだいたい白い照明があてられているのもいいなあ。

・過去作品を思い起こす=オマージュが散りばめられている点
 これまでの過去作品を思わせるような演出が多くありました。
 特にエモいな~~って思ったのは、有賀をようやく見つけたいつきが有賀さんに駆け寄り話しかけるところでそれをぶった切るように有賀がいつきを撃つシーンが、鋼の有賀がやっと間宮に本当のことを話そうとしたところで間宮が有賀を撃つシーンとだぶるというところ(おそらく意図的なオマージュ)です。あまりにもエモすぎる。もうずるい、演出がずるいよ……。

・願いを分かち合う有賀と加々美
 上述の通り。100カラットの宝石にも勝る美しさ。

・シンの最期の主旋律がピアノ
 無人機を止めてくれ、と頼む有賀に対し「俺は…俺の魂を曲げられん」と拒んだあとの音楽。シンを殺すんだというときのあの音楽…ピアノ……!間宮のバイオリンとの対比なのかなあとか思ったり。

・シンの死に姿に銃を捧げるいつき
 サクラの掟を唱えてシンを撃ち、その撃った銃を握りしめてから捧げるのさいっっこうにエモい!
 しかも小耳に挟んだ情報によるとその銃は有賀のものらしい。エモい!エモすぎるよ~~~!

・一嶋暗殺ミッションの際に曲調が明るくなるところ
 あの突然明るくなる音楽、めっっちゃすきです。
 もともと空に発砲してから変調していましたが、ある日からそのタイミングが少し早くなって有賀の「言い残すことは?」の後になったんですね。初めてその回を観た時は全体的に生き急いでる感を感じて(どういうこと?)音響さんも生き急いじゃったのかな……なんてわけの分からないことを思っていたんですが、結局最後までそのタイミングでした。聞いたところによると7日からだそうで……空に発砲後のタイミングが何となく分かりやすくて好きだったので、その変更には必ず理由があるはずだから、その理由を知りたいなあと思います。

・ラストの橙色に飛び込んでいくシルエット
 美しい画だ。


■そのた
 ※ちょっとした発見または好きを述べているだけの生産性のない項目です。

・一嶋を睨みながらはけるいつき
 卒業ミッションを渡されたあとのあれ。相変わらず生徒に嫌われる一嶋さん~~~!とこの世代でのそれがいつきだったのもぐっときます。

・万夜さま「願ってもない」の音源ください
 全公演分ください(映像付きで)。

・有賀とサリュート
 直接的な交わりはありませんでしたが、何か通ずるものがある二人…だったのではないでしょうか。顔も似てるし(だいじ)暁の初対面でお互いに何か感じたはずだし、「地獄を見た」という共通の過去がある。直接の因縁はないにせよ偶然の産物として引かれ合いそうだった二人だなあと……ねじれの位置みたいな(伝われ)

・「サリュートあのさあ」
 この語順がめっっっちゃすき!言い方もすき!スークがすき!

・「雛森千寿だ」
 ソシャゲの初期キャラ選択画面でのボイス!これ、ログボって呼んでます(違う)(すき)

・OP登場時の雛森
 敵を押しのけて出てくるの超すき!

・ストレッチひなちゃん
 ふつうにすきだよね、わかる(?)

・「俺の足を引っ張るなよ」
 途中から万夜さまの首に腕回し始めてびっくりしました。物理的な距離感が…ちかいひと……

・有賀VS一嶋の様子を下手の壁で腕組んで伺ってる雛森が好き
 いつ出ようかと銃を構えてるんじゃなくて腕を組んで有賀と一嶋さんの会話を聞いてる、その感じがすき!

・EDの雛森、何してるの?
 何してるの?あと舌ペロしてる回もあったぽい…一回だけ確認できた……何……
 (追記)ナイフ使ってることに今更気づきました。しかも左手……ナイフひなちゃん……………(語彙力を失ったおたく)

雛森千寿すきだよ~~~~~!
 初日観劇後一発目のツイート「雛森♡♡♡♡♡」


■本編外
 グッズやカテコの話、今後見たい話について。

・メモリアルフォトブック=卒アル
 購入前はふざけながら言っていたんですけれど、開けてみればほんとうに卒アルでびっくりしました。だって寄せ書きある……寄せ書き……
 それとあの中で語られる見解がめちゃ腑に落ちた。作り手側からそういう解釈を聞けたことで、わたしが勝手にこうだと信じていたことが救われた気分になったのかもしれません。

・加々美いつき、はちゃめちゃにビジュアルがいい
 これはグッズの話なんですけど、ブロマを一枚一枚めくるたびに「ビジュアルがいい!」って言うしかありませんでした。
 あとサクラになった時の髪型ずるいよ……

・気づけば2セットずつ買っていた雛森ブロマAB
 2セットずつ買ったの笑うしかない。なんで?
 Aはとにかくずるいな~~~ひとつ選ぶなら横向きの銃構えてるやつがベストオブずるい!
 Bは選び難いです。どれもいいな……横向きのやつは、これは誰に対しても言えることなんですけどあの角度は単純に好みです。その角度が似合う男、雛森千寿……白っぽい方の両手をポケットに突っ込んでるやつなんかは(ヒッ……)ってなりますね。

・カテコでの雛森小暮一嶋の並び
 本編での境遇を思うとこのお三方がカテコでじゃれ合っているのとんでもなくしんどいです。なんでそこ並べちゃったの?(こら)
 印象に残っているのは、ある日のダブルカテコで黒子のほうきの刷毛の部分?がステージに落ちていたみたいで、それを橋本さんが拾って、山本さんとなんか喋ってて横から中原さんが杖と交換してくれてさらになんかじゃれてて……で、その刷毛(?)を橋本さんが山本さんに渡した、と思ったら、せっかく貰ったのに落としてるの!ちょっと…!!笑(しかも他の人が話している時の出来事です)
 一慶さんの挨拶回には行けなかったけれど、観た回ほぼすべてですごい存在感残していったな…って(笑)まあ見てるからなんですけれど……うるさいって言われてたよ……あと19歳(西野くん)に「しー」ってされてる日もあった……楽しすぎる…………ほんとうにノーマークだったのでこれまで外見だけで受けていた印象と実際目にした中身が違いすぎて、いやあ…楽しんでいます!(?)

メサイア界のカウンセリングルーム
 林さんと八重樫さんのところに行って耽る雛森千寿、次回の映像で見れますか?

雛森の寝顔
 5年間黙って(重要)眠っていたんですよね。え~~~ぜったいきれいだよでも恐怖心煽られそうな気もする。ずっと見ていたら地獄という名の楽園に連れて行かれそうな気がする(???)
 奈落のあの白い空間でケースか何かに入れられて眠っている雛森千寿、次回の映像で見れますか?

雛森千寿が好き
 しつこいな…?!
 そういえばチケットをお譲りした方と少しお話した時にこの(中の)人やばいっていう日本語をなんとか伝えたら「一慶さんかっこいいですよね~~~!」ってめちゃ前のめりで言われました。(染谷さんのファンの方でした)支持率高い…(ざっくり)この話がしたかっただけです…。


■セリフ
 演技的な意味でめちゃ好きな5大セリフ!ひとつひとつ語ってたら終わらないので、ただただその言葉の持つパワーに客席で震えた、とだけ付け加えておきます。

加々美「舐めんなよ新入り」
雛森「やつを殺すためだな」
サリュート「人はな、魂を抜かれたら終わりなんだよ」
小暮「僕の命はあなたのおもちゃじゃない」
加々美「人が死ぬってたいへんなことなんだ」


メサイアという世界にて――点在する数多の物語

 サクラになる条件に「絶対的な絶望」があります。いわば「社会」で生きていくことができなくなったから、国のために散るスパイとして生きることを強いられる。極限の状況で、その命を使い続けるために、メサイアという「魂の伴侶」が与えられる。どうしようもない世界で生きる意味をメサイアに見出して血を流しながら生きていく。
 この前提条件がメリバであると思っています。彼らにとって俗に言う幸せとはとっくに奪われたもの。
 わたしはよく彼らの幸せを祈ります。でもそれって、幸せという概念をこの世界に当てはめようとすることって不条理だなとこのエントリを書きながら気付きました。氷のナイフのように脆くて儚くて美しい枠組みの中で。
 
 それから、新しいメサイアがあてがわれるということについて考えています。
 唯一心を交わすことを許された存在を失った時、ひょいと新しいそれを与えられる。ベルトコンベアかよ…みたいな(言い過ぎ)。このシステムはとくにひどいなって感じます。一人の方がマシって思う候補生はいっぱいいるはず。それでも彼らに拒否権はないのです。メサイアって考えれば考えるほど残酷なシステムだな~~~同時に究極の救いでもあるのでしょう。
 かつてのメサイアの死を乗り越えて新しいメサイアと絆を深めて卒業していった、颯真と柊介、珀、そして有賀。これからは雛森がどうなるかですね。

 最前線で戦う彼らは、いつ死ぬともしれない世界線で絶望に打ちひしがれながら、あるいは光を求めながら生きています。
 すなわち、卒業とは奇跡であるのかもしれません。祈れば叶うものではない。わたしが役者という存在を通して見て思い入れている彼らはそういうところにいるんだということを胸に刻んで今後もこのシリーズを追いかけようと思います。
 改めまして。有賀さん、加々美くん、卒業おめでとう!

 悠久乃刻、ほんとうに美しかった。まるで西洋絵画のようだとも感じています。
 そして「お前は誰だ?」をすべての人間に問う物語でした。 
 メサイアシリーズの一貫した世界の中で、今回は有賀と加々美の物語がクローズアップされました。この世界に生きるキャラクターそれぞれにたいせつで儚く深い物語があるのだなあとしみじみしちゃいます。
 メサイアのおもしろいところは、この世界がただ単にサクラに寄り添って描かれているのではなく、そこに存在するすべての人間達の生き様を深く見つめることができるところにもあるなあと思います。

 ――こんな日が来ると思わなかった。
 作中でこの言葉が紡がれたタイミングには少々驚きました。予想を裏切られたからだと思います。これを経た上で有賀と加々美は互いのメサイアとして卒業することができた、カギカッコは一旦閉じられたと思うので、この言葉についてはあまり考えることができないでいます。
 そしていろんな方の「こんな日が来ると思わなかった」が知りたいですね!気付いたらFCに入っていたとかそういう感じの!笑


 途方に暮れるほど美しく、そして血みどろの世界。メサイアの独特の「美しさ」の真相に迫ることができる日は来るのでしょうか。わたしにはまだ分かりません。

*1:最高でした!勝呂くん、あまりにもきれいだ。繰り返し観たいので買って良かったです。無料配信するので観て下さい。 gyao.yahoo.co.jp

*2:沙也加さんが観劇に来られていた回は人間っぽかった……という感想も見かけました。わたしも観たのにそこまで気付けなかった……カメラの焦点が違ったので……

*3:いつきに北方の技術なら特定の人物の記憶を消すことも蘇らせることも可能という話を示唆するスークがサリュートの方を見て嘲笑っていたので、おそらくそうかな…と