壺の中の泉

きらめきたい

スタミュミュが超楽しくてハッピーな話(ネタバレなし)

 ミュージカル「スタミュ」通称"スタミュミュ"初日マチソワ行ってきました!ブルーシアターへ!
 大楽のライブ配信&アンコール配信がGyaOさんであるので、みんな見て!見て!というダイマのためのエントリーなのでネタバレはそんなにしません。

 マチネは当日券チャレンジ。8人だったけれどどんどん増えてるだろうな〜〜遠征するとだいたい公演期間中2週目の土日だから初日一発目に行くのは初めて。初日一発目の空気っていいな。
 休憩時間と終演後の劇場内の空気がアガりまくっててすごい。一発目からぶっ飛ばしてたと思う。吉谷さんの演出作品はとにかくハッピーになれるなあと思いました。初日一発目、心はスタオベ級だったのだけどヘタミュ同様ダブルコールまでというきまり。
 杉江くんの素敵な気持ちをそのまま胸にしまっておかえりくださいといった感じの言葉が印象に残りました。素敵なものを観た高まりのまま劇場を後にすると外の空気が美味しい。これからの吉谷ミュの特徴にもなると思うのだけど、その分リピートしたくなるし楽し過ぎてしんどいし胸にズンっとくる。

 めっっちゃくちゃ楽しくて笑って泣けて楽しくて超ハッピー!そんな作品。
 そんなスタミュミュ、無条件にハッピーになれるよ!ってダイマできたらいいなあ〜〜!


キャストの個性

 山中翔太くんがカテコ挨拶で、それぞれ得意なこと苦手なことあるけれどみんなで補い合いながらここまできたというようなことを仰っていました。スタミュミュのキャストは様々なジャンルから集められているなあというイメージ。キャスティングが秀逸で、とにかくみんな役にハマってる!外も中も。
 星谷くんの底なしポジティブは杉江くんだからこそ説得力しかない。それに舞台化独特のキャスト本人の色が滲み出て3次元に存在する感じが顕著に思えました。わたしはこういう演じてる本人と役が混じる瞬間がとても好き!スタミュミュは再現率の高さ役とキャストの親和性の高さが飛び抜けてる。
 生粋の舞台役者、ダンサー、声優、音楽をするひと、ほんとうにいろんな方がいる。それぞれの魅力が存分に生かされているからとっても楽しいです。

表現がすごい

 表現がすごい(もっとちゃんとした日本語喋りな)
 吉谷さんのアナログ演出が大好きマンだから当然のようにスタミュミュが好き。人力ってサイコー!信者になってしまう(大げさ)
 舞台セットがとにかく好き。音響照明の使い方もすごく好き。ハイテクな映像演出はなく、すべてアナログに表現されています。
 アニメ12話分をうまく2時間半にまとめてあります。そのやり方がほおおってなるところも多くて。端折るところは端折られているけれど、星谷くんを中心に回る物語としてわかりやすい。原作ファンのためにつくられていると言っても過言ではないスピード感だったけれど俳優おたくはこの通り予習していくので…でもすべての観客に配慮されていたと思う。みんなハッピー超楽しい!!みたいな!(?)

芸が細かい

 細部までよくつくられているので観ていて目についてしまうところがない。
 とくに星谷くんの動きはとても計算し尽くされているなあと感じる。さすが…!基礎がなっていない素人の踊りをリアルに表現しています。
 それからアドリブ対応、ハプニング対応がみなさんすごい。マチネは笑いがたくさん起きる客席だったけれどソワレは少し控えめな客席で、戌峰くんのアドリブが客席の空気を察して笑かしにきてる…と感じました。それでなくても戌峰くんはすごい!即興ミュージカルが毎回歌詞も音も違う。客席の様子やその時の状況によく合わせてるなあというのも感じた(主観)
 あと初日夜のこと。星谷くんがチーム鳳一人一人と目を合わせてからセリフを言うシーンがあって、たまたま空閑くんの顔が天花寺にかぶって見えなかったみたいで星谷くんが覗き込むようにして目を合わせたのがとても印象的でした。ちゃんと目を合わせてから次に進むんだなあと…星谷くんはそうだよね。ふわわってきました(?)

幸せになれるキラキラ成分

 すごい文面だなと我ながら思いますが()ほんとうにこの通り。キラキラ舞台、わたしは苦手だなと勝手に偏見を持っていたけれどスタミュミュのキラキラは大好き。そもそもこんなにキラキラだとは思わずに観に行ったんですが…劇中でよくスターダストって言葉が出てきますが、まさに星屑のようなキラキラで溢れていて、スターダストをぶわっっと浴びせられる感じ。
 
 スタミュミュ、想像以上に楽しくてハッピーで最高でした。こんなに素敵な作品で初日から大盛況でよかったなあと主演固定カメラは思います。
 初日の勢いがすごかったのでこれからどんどん進化していくのだろうな〜〜ブルーシアター通いたいな〜〜福岡に帰りたくないな〜〜〜(悔し涙)
 当日券もどんどん狭き門になっていくと思います。でもやっぱり生で浴びるスタミュミュは最高!とりあえず大楽のGyaO配信は観てください!ハッピーになろう!!

http://star-mumu.com/

ミュージカル「花・虞美人」3/31東京千秋楽

ミュージカル「花・虞美人」

 東京千秋楽に行ってきました。ネタバレ配慮ないよ!
 人ってすぐに自分の都合の良い態度を取るんだなあ、すぐに人に媚びへつらうんだなあ…などと思った作品。だから、(お、お前なー!)って思う瞬間が多かった(笑)でもそんな中でブレないモノがある。ブレないモノのためにコロコロと都合のいい人間に媚びへつらうのかもしれない。そんな作品かなあ。
 虞姫の衣装が気持ちの傾き加減によって色が変わっていくのが印象的でした。劉邦は赤色、項羽は青色がイメージカラー。序盤の劉邦への想いが強いときはピンクの衣装、もう会えなくてもなお忘れられない劉邦と優しくて情に厚い項羽の間で気持ちが揺れ動く中盤ではピンクと青の衣装(キービジュアルのやつ)、そして劉邦のことは振り切って項羽の側にいると決めると青の衣装になり、項羽が修羅となり殺戮を繰り返すようになるとピンクと青の衣装に戻ります。
 松田凌くん演じる子期も劉邦軍にいたときは赤でしたが項羽軍につくと青になりました。

 凰稀かなめさんの佇まいが美しくて、さすが…という感想ばかり。項羽と劉邦の話で最も有名な酒宴→剣舞のシーンでは虞姫も舞を披露していたのですが、すごい!美しい!圧巻!全編通してずっと思っていたのが、何が違うんだろう…という。当たり前なんだけどね。全身のどこにも無駄がなく隅々まで綺麗で美しい。
 それから女性アンサンブルの歌声が綺麗でした。聞き取りやすいし、透き通った感じがとても好み。以前某2.5ミュージカルでアンサンブルの歌声がすごく悪く言えば雑音になっていて何を言っているのか分からない、なんてことがあったので*1アンサンブルが多い今回は不安に思っていたんですが、吹っ飛びました。かわいいというより可愛らしい、そしてきれい。あんな女性になりたいなあと漠然と思います。

 子期、可愛かったです。みんなの弟!姉さん(虞姫)を想う健気な弟。
 結婚前夜の幸せなシーンがほんとうに可愛かった。村の女性達に混じってニコニコ歌う姿はとにかく微笑ましかった。虞がやってくると手を差し伸べてレディーファースト、めちゃめちゃ好きです。わたしもこんな弟が欲しい。
 それとお父さんに肩に両手と顔を寄せる仕草がすーーごく好きです。かわいいよー!この仕草、凌くんで見たことある気もした…よくしますよね、多分。
 子期はほんとうに姉想い。ブレません。劉邦が天下を取るために懐王(小野健斗さん)の血縁者である呂雉(高橋由美子さん)と政略結婚をするという時、劉邦軍は懐王に拱手するけれど子期だけ躊躇いがちだし、とうとう劉邦に本当にこれでいいのかと問うて場を乱す。「あの姉想いには困ったものだ」とすら言われます。
 姉想いがために、呂雉の手中の趙高(桑野晃輔さん)に促されるがまま項羽軍へつく。
 この時、子期はかつて慕っていた劉邦のことを呼び捨てにし項羽へ忠誠を示します。あーそっかあ…って思った。この項羽への忠誠の示し方が、完全なものではなく姉への気持ち故のものだと感じた。彼は全ての行動が姉のためにある。あまりにまっすぐである。凌くんが演じることで説得力でいっぱい。自己満足に過ぎない、自分のためでしかないけれど。
 姉想い故に項羽軍で戦い、死んでいく。死に際の言葉も「姉さん…」だった。最期のシーンは俗に言う死亡フラグで登場したのでああ死ぬなと思っちゃいました。少し記憶が曖昧でちゃんと覚えていないけれど、姉さんのために…というようなセリフを言っていた。とにかくあからさまな死亡フラグでした。
 最期は姉を想いがむしゃらに戦います。もはや剣を振り回しているだけになって叫んでどうしようもないなあ…もっと違う未来もあっただろうに、これが子期の運命なんだなと思いました。
 凌くんのエネルギー溢れるお芝居がほんとうに好きです。ふと口から溢れてしまったような声を発するのも好きでした。
 そういえば東京楽は、項羽軍について虞姫と再会したあと范増(大澄賢也さん)に跪き拱手するシーンで、膝から滑ってしまったんですね。范増が「大丈夫か」と聞くと「姉さんに会えたのが嬉しくて…」と答えていました。思わぬハプニングにかんぺきなアドリブ…!相手が大澄さんでよかったー!とも思いましたが(笑)この日一番の会場の笑いを誘っていました…さすが…。
 カーテンコールの挨拶も「姉さんが大好きです!」に感謝の意を添えただけ。ブレません(笑)かなめさんに「凌」って呼ばれてたのもなんだかいいなー!って思いました。
 あと殺陣が飛び抜けて速かったうまかった。身体能力の高さが目につきました…。
 子期、ほんとうによかった!

 ミュージカルにしては(?)ナンバーが少なかったのでソロが1曲もない人もわりといましたが、皆一様にいい役でしたし見せ場がありました。
 とくに桑野くんの趙高はオネエで終始注目しました。オネエの趙高、自分が生き残るために呂雉の言いなりになったりいろいろしたけれど、最後の最後で虞姫に謝る。虞姫といい関係性を築いていたと思います。オネエと悩める女性っていうテンプレです。心の支えだったのだと思います。
 大澄さんの范増がとっっても素敵でした。項羽が心の暴走を止められず「もう軍師はいらないということか」と范増が聞くと「そうだ」と答えられ、項羽のもとを離れもう誰の軍師にもならず故郷に帰ると言うナンバーは一番心打たれたシーンです。「故郷に辿り着けるか分からんが」って言うのがぐわっときました。ぶっちぎりしんどい!

 人がバタバタ死んだ(言い方)今作、誰も心の底からは結束しようとはせず自分のために生きていた。だからすれ違うし、だから皆死んでいくのかもしれない。
 今回は凌くんのおかげでずっと行きたかった赤坂ACTシアターへ行くことができ、綺麗な桜も見て、子期の生き様を観ることができてよかったです。

*1:劇場の問題もあるかも